小川芋銭先生小品畫展
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この画集は、昭和9年11月16から17日の2日間、名古屋市内鶴舞公園「鶴鶴亭」を会場として開催された「小川芋銭先生小品展覧會」(主催:名古屋芋銭會)の図録である。図録を見る限り個々の出品作品には、題名が付されていない。画賛をたよりに作品の内容を分析しているが、難解なものが多く、未だ解明出来ないものが多数ある。なお、画集は展覧会より数ヶ月遅れて刊行されている。ついでながら、「名古屋芋銭會」の実態は、不詳。今後の解明が待たれる。この図録も入手困難なものの一つである。
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小川芋銭先生小品展覧會 昭和9年11月16から17日の2日間、名古屋市内鶴舞公園「鶴鶴亭」を会場として開催された「小川芋銭先生小品展覧會」(主催:名古屋芋銭會)の図録
撮影場所:鶴舞公園「鶴鶴亭」(名古屋市)
上図:画賛 寒根生意
右(上図):画賛 まかなくに なにをたねとてうきくさの なみのうねうねおひしげるらむ たぬきも 典拠:小野小町歌 右(下図):画賛 緑漫々 左(上図):混沌眉 左(下図):三三九 永遠数也
右(下図):画賛 行踏空林落葉聲 左(上図):画賛 夏は水艸の青々と沼を掩ふはかりに茂り 其中に赤法花とよぶ秀丘あり 此丘より餅貝の化石を出すを見れは 太古は和田津海なりしことを知るへし 鯨も吼へけむ昔思へば 宇宙の変遷は唯不思議といふのみなり 右(下図):画賛 孤舟盡日横
右(上図):画賛 夢の春落花魚になりにけり 常陸さくら川 右(下図):画賛 木挽の娘か 齢三十をすきて一人棲めるを 彼の徒然艸の栗喰娘のたぐひかと戯れて 立田姫木の實にいきる女とて 左(上図):画賛 戯雲戯花三千年 偸桃壽 東方朔 左(下図):画賛 斷橋暮雨
右(上図):画賛 桑婦宵征 農夫野宿 民生在勤 勤則不匱 右(下図):画賛 盧同茶歌之意 五椀肌骨清 六椀通仙靈 七椀喫不得也 唯覚覺両腋習々清風生 典拠:盧同「茶歌」 左(右図):画賛 月明蘆花白 左(中図):画賛 六々鱗梅花印 左(左図):画賛 川びたりの餅にも飽けよ瘠河童
右(右図):画賛 寒湖 昨宵幽聞漁唱曉來驚破凍聲 右(中図):画賛 冬至望岳 右(左図):画賛 蜀錦裁斷 左(右図):画賛 曉雨暮雨十二橋春中はなり 左(中図):画賛 鷲に乘って海わたるすべ雲の秋 銚子所感 左(左図):画賛 つくはねの新桑の芽や春の水
右(右図):画賛 某禪僧に對す 里芋の花は拂子に似たるもの 右(中図):画賛 松間に松露かく子らを見れば水に群なす魚にも似たり 右(左図):画賛 狐啼て狸のふぐりさむからむ 左(右図):画賛 一笑大江横 門を出れば唐辛子の夕 左(中図):画賛 遠山近水 片くりのはなちりけらし夏の雲 左(左図):画賛 狐火や陶物窯の夜半の秋 左(左端図):画賛 高野轉軸山 夏の雲此巓を湧きいてぬ
右(右図):画賛 五月闇高野の山の谷にさく一人静は愛しかりけり 右(中図):画賛 下□一の山 ひるはなのへびそろさきぬ いさ子供秋の晴日を二人し摘まん 右(左図):画賛 さみたるゝ 高野の山の谷にして いまかさくらむ一人静の花 右(左端図):画賛 銚子旅情 茅花ちる夕岡の野を一人ゆけば山背の風の髯に寒しも 左(右図):画賛 十二三橋輕雨過 左(中図):画賛 不□曳尾亀 左(左図):画賛 落栗の音を雨月の窓下哉
右(上図):画賛 峰々に影して紅葉一樹照る 右(中図):画賛 我顔せ劔にうつす霜の秋 右(下図):画賛 鷲にのって海わたるすべ雲の秋 左(上図):画賛 大海の光明さむし後の月 左(中図):画賛 秋風や長きをそしる牛のべろ 左(下図):画賛 靈果扶桑之産延壽幐仙桃
右(上図):画賛 静動□所 右(中図):画賛 十二橋の照風や時鳥 右(下図):画賛 九月沼趣 左(上図):画賛 沼上魚雨 左(中図):画賛 鳥雲變化 左(下図):画賛 花還葉