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草汁漫画 春の部 夏の部
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『草汁漫画』(日高有倫堂 明治41年6月)は、芋銭の最初の著書である。この時期、芋銭は盛んに新聞雑誌等に挿絵を描いていた。描いていたといっても、芋銭の肉筆がそのまま掲載されたのではなく、肉筆は所詮木版の版下絵でしかなかった。『草汁漫画』を製作するにあたり、芋銭は、それまでに発表した作品の版木を集める必要があったが、思うようには集まらなかったようだ。結果として掲載作品は、『いはらき』新聞に発表したものが主となった。それでもまだ不足が生じ、新たに版下絵を描き足す必要にも迫られた。一方、初期社会主義に掲載した作品も掲載の対象とはしたが、これも版木の借用が叶わず同じような構図の作品を書き直したが、原作特有の痛烈な社会批判の度合いも随分希薄になっている。この辺りに、芋銭の心の変化や社会情勢が見て取ることもできる。掲載された作品の多くは、一見何気ないものであっても豊かな学殖が見え隠れし、興味は尽きない。全体的に見れば、蕪村の影響が極めて濃厚である。忘れてはならないのは、友人、小杉未醒(放庵)、杉田雨人の多大な尽力があってこそ『草汁漫画』は世に出るところとなった。
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小川芋銭著『草汁漫画』表紙
題の「草汁」の典拠は、蕪村句「てすさびの団画ん草の汁」で、絵の具の意味。
序文1
筆者:田岡嶺雲
序文2
筆者:幸徳秋水
序文3
筆者:伊藤銀月
序文4
筆者:佐藤秋蘋 *秋蘋は、『草汁漫画』刊行前に死去。
謝辞
筆者:小川芋銭
自序1
筆者:小川芋銭
自序2
筆者:小川芋銭
目次-1
春之部、夏之部、秋之部(一部)
目次-2
秋之部(続き)、冬の部、雑の部
『草汁漫画』春の部
中扉「春の部」
王右軍
「王右軍」は、中国東晋の政治家・書家で、書聖「王羲之」のこと。画材は「王右軍愛鵞」に拠る。
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